定例が終わった数分後、kintoneの案件レコードも最新になっている。SuperIntern MCP×kintone連携の実践ガイド

案件管理も問い合わせ管理も、チームの記録はkintoneのアプリにまとまっています。ところが、案件が実際に動くのは会議の場です。営業定例が終わるたびに、誰かが案件管理アプリを開き、該当するレコードを探して、決まったことを手で転記します。ステータスの変更、次回アクションの記入、期日の修正といった作業を、毎回誰かが引き受けているわけです。
この転記が後回しになると、アプリの中身は少しずつ現実からずれていきます。レコードには「提案書送付済み」とあるのに、実際には3日前の打ち合わせで口頭の内諾が出ている、という状態です。こうなると、kintoneを信じて動いた人が古い情報のまま仕事を進めてしまいます。
SuperIntern MCPとkintone公式MCPサーバーをClaudeにつなぐと、この転記をAIに任せられるようになります。Claudeが議事録を読み、kintoneの該当レコードを探して、変更内容の一覧を先に提示します。この記事では、書き込む前に変更案を提示し、承認を待つようClaudeに指示します。
⚠️ 本記事は、2026年9月時点の公開情報やユーザーフィードバックを基に独自にまとめたものです。
目次
- この連携でできること:Before / After
- 仕組み:3つの役割分担
- セットアップ
- 実演1:営業定例の直後に案件レコードを更新する
- 実演2:口頭で報告された新規案件を、重複チェックつきで起票する
- 実演3:週次の突き合わせで更新漏れを洗い出す
- 運用のコツと注意点
- 応用:営業以外のkintoneアプリでも同じ型が使える
- よくある質問
この連携でできること:Before / After
Before: 会議が終わるたびに、メモを見返しながらkintoneで顧客名を検索し、レコードを1件ずつ開いてフィールドを書き換えます。忙しい週は更新が数日遅れるか、そのまま忘れられてしまいます。
After: 会議が終わって数分後、Claudeに「今日の定例とkintoneを突き合わせて」と頼みます。ClaudeがSuperInternのAI議事録を読み、案件レコードと照合したうえで、変更案をフィールド単位の表にまとめて提示します。内容を確認して承認すれば、レコードの更新から根拠コメントの記入までがその場で終わります。
前提として、会議はSuperInternで記録しておく必要があります。SuperInternは、会議にボットを招待せずに文字起こしとAI議事録を作成できるデスクトップ型の会議アシスタントです。オンライン会議でも対面の打ち合わせでも、同じように記録できます。

仕組み:3つの役割分担
この連携に登場するのは次の3つで、役割がはっきり分かれています。
| 担当 | 役割 |
|---|---|
| SuperIntern MCP | 文字起こし・ライブ文字起こし・AI議事録・会議ノートを読み取り専用で提供します |
| Claude | 会議データを読み、レコードと照合し、変更案を作成して、承認後に実行します |
| kintone MCPサーバー | Claudeからの操作で、アプリの検索、レコードの取得・作成・更新、レコードへのコメント記入を行います |
MCP(Model Context Protocol)は、AIアシスタントと外部ツールをつなぐためのオープン標準です。SuperIntern MCPは完全に読み取り専用で、この接続を通じて会議データを編集したり削除したりすることはできません。参照できるのも、接続した本人がSuperIntern上で閲覧できる会議だけです。
もう一方のkintone MCPサーバーは、kintoneの開発元であるサイボウズがOSSとして公開している公式のMCPサーバーです。アプリ一覧の取得、レコードの取得・追加・更新、レコードへのコメント記入、プロセス管理のステータス更新などのツールをAIクライアントに提供します。kintoneへの書き込みはすべて、このサーバーを通じてClaudeが行います。SuperInternがkintoneに書き込むことはありません。
セットアップ
2つのサーバーを、それぞれClaudeに接続します。
1. SuperIntern MCPをClaudeに接続する
Claudeの設定からコネクタを開き、「カスタムコネクタを追加」を選んで、次の接続URLを登録します。
https://mcp.app.super-intern.com/mcp
SuperInternのログイン画面でサインインし、アクセスを許可します。個人ワークスペースではPlusプラン以上、Enterpriseでは管理者による「MCPアクセス」の有効化が必要です。詳しい利用条件やClaude Code・Cursorでの設定手順は、MCP設定ガイドをご覧ください。
2. kintone MCPサーバーを接続する
kintone MCPサーバーは手元の環境で動くローカル型です。Claude Desktopなら、リリースページから.mcpbファイルをダウンロードして、Claude Desktopの拡張機能設定にドラッグ&ドロップするのがいちばん簡単です。npm(@kintone/mcp-server)やDocker(ghcr.io/kintone/mcp-server)でも動かせます。Claude CodeやCursor向けの.mcp.jsonの書き方は、READMEに掲載されています。
認証情報には、ユーザー名とパスワードではなく、アプリ単位のAPIトークンを使うのがおすすめです。kintoneで対象アプリの設定を開き、実演1にはレコード閲覧と編集、実演2も行う場合は追加の権限を持つAPIトークンを発行して、KINTONE_BASE_URL(https://example.cybozu.comのような自社のURL)とあわせてKINTONE_API_TOKENに設定します。なお、日本のkintoneではスタンダードコースとワイドコースでREST APIを利用できます。ライトコースではAPIを利用できません。
対象アプリをブラウザで開き、URLの/k/123/にある数字からアプリIDを確認してください。以下の例の123は、自分のアプリIDに置き換えて使います。APIトークン認証ではアプリ名による一覧検索を利用できないため、Claudeにはアプリ名とIDを渡してください。
3. 接続を確認する
新しいチャットを開いて、次のように頼んでみます。
SuperInternの直近の会議3件と、kintoneアプリ「案件管理」(アプリID: 123)の
フィールド一覧を見せて。
両方の答えが返ってくれば、準備完了です。
実演1:営業定例の直後に案件レコードを更新する
案件のステータスが実際に動くのは、週次の営業定例です。まずは定例が終わった直後に、話した内容をレコードの変更へ落とし込むところから始めます。ポイントは、「書き込む前に、まず変更案を見せて」という一文を必ず入れることです。
今日の「営業定例」のAI議事録と文字起こしをSuperInternから取得して。
会議で話に出た顧客ごとに、kintoneアプリ「案件管理」(アプリID: 123)から
該当レコードを探して(会社名で照合)、レコードごとに次の変更案を作って。
- ステータス(会議で変わった場合のみ)
- 次回アクションとその期日
- 「最新状況」欄に入れる1行メモ
まず変更案の全体を表で見せて。各変更には、根拠になった発言を添えて。
私が承認するまで、kintoneには何も書き込まないで。承認後は、会議名と
日付つきで、決定内容の要約をレコードのコメントにも残して。
返ってくる答えは、たとえば次のようなものです。
会議で話に出た顧客は4社で、案件管理のレコード4件と照合できました。
- 北風商事:ステータス「提案書送付済み」→「口頭内諾」。次回アクション:注文書を送付(期日9月16日)。根拠:「先方は電話でOKとのことです。あとは書面だけ」
- エイコー物流:ステータス変更なし。次回アクション:セキュリティレビューの日程調整(期日9月19日)。根拠:「契約前に情シスのレビューを挟みたいそうです」
- 青葉食品:ステータス「交渉中」→「保留」。根拠:「先方の予算が来期まで凍結とのことでした」
- 江東精機:会議では結論が出ておらず、レコードの次回アクション期日が超過しています。変更案は作らず、確認事項として挙げておきます。
このまま反映しますか?修正したい行があれば教えてください。
「北風商事の期日は9月17日に変えて、それで反映して」のように返せば、Claudeがレコードを更新し、各レコードに根拠つきのコメントを残します。

フィールドの更新と並んで効いてくるのが、このコメントの履歴です。6週間後に「この案件、なぜ保留になったんだっけ」と振り返るとき、会議名と日付つきの答えがレコードの中に残っています。
実演2:口頭で報告された新規案件を、重複チェックつきで起票する
新しい案件の情報は、「そういえば、ファブリカムの大阪支社から問い合わせが来ていまして」といった、会議の中の何気ない一言として出てくることがよくあります。誰もレコードを作らなければ、この案件は担当者の記憶の中にしか存在しません。
今日の「営業定例」の議事録から、話に出たのにkintoneアプリ
「案件管理」(アプリID: 123)にまだレコードがない会社・案件を洗い出して。重複を作らないように、
先に会社名でアプリを検索して。本当に新規のものだけ、レコードの下書きを
作って。フィールドは、会社名/担当者(出ていれば)/獲得経路=「会議」/
ステータス=「新規」/話に出た内容の要約。下書きを見せて、私が承認する
まで起票しないで。
会議に出てきた会社名6件を、案件管理と突き合わせました。
- 4件はすでにレコードがあります(対応不要)。
- ファブリカム大阪支社はレコードがありません。下書き:ステータス「新規」、獲得経路「会議」、要約「大阪支社経由の問い合わせ。年間プランに関心あり。窓口担当者は未確認」
- リットウェアの名前が1回出ていますが、既存レコード「リットウェア株式会社」と同じ会社の可能性があります。こちらは下書きを作っていないので、ご確認ください。
ファブリカム大阪支社のレコードを起票しますか?
判断に迷うのは、まさにこの「同じ会社かもしれない」というケースです。新規とされた案件も含めて既存レコードとの対応を確認すると、重複の見落としを減らせます。ただし、会社名の表記揺れや、確認後に別の人が登録するケースもあるため、二重起票を完全に防ぐものではありません。

実演3:週次の突き合わせで更新漏れを洗い出す
どれだけ習慣づけても、抜けは出ます。そこで週に1回、逆方向からも突き合わせます。今度はアプリを起点に、「会議では動いたのにレコードが古いままの案件」を探す方法です。
今日を基準に過去3週間のSuperInternの会議すべてと、kintoneアプリ
「案件管理」(アプリID: 123)の完了していないレコードを突き合わせて、3つのリストに分けて見せて。
1)今週の会議でレコードより新しい決定が出ている案件
(根拠の発言と、フィールドの変更案つき)
2)次回アクションの期日が過ぎているのに、今週関連する会議が
なかった案件
3)3週間以上どの会議にも登場していない案件
1と2は今週の会議で判定し、3は過去3週間全体で判定して。
取得できない期間や会議があれば、未登場と断定せず確認不能として報告して。
1のリストは、私が承認したら変更を反映して、各レコードに根拠の
コメントを残して。
1つ目のリストは、たまっていた更新をまとめて片付けるための一覧になります。2つ目と3つ目は、月曜の案件レビューの材料です。アプリを上から順に眺めて怪しい案件を探す代わりに、「注意が必要なのはこの5件です」というところから会議を始められます。
運用のコツと注意点
「まず変更案、書き込みは承認後」を崩さない
この記事の書き込みを伴うプロンプトはすべて、「変更案を見せて、承認まで書き込まない」という指示で締めています。この型は必ず守ってください。承認前の確認は、誤った変更に気づく機会になります。ただし、プロンプトの指示だけで書き込みを技術的に制限するものではありません。対象レコード・変更値・根拠を確認し、実行後の結果も確かめてください。
APIトークンは1つのアプリに絞る
kintone MCPサーバーはアプリ単位のAPIトークンで動かせるので、Claudeが触れる範囲を、明示的に許可したアプリだけに限定できます。まずは1つのアプリに絞り、権限は実演1なら閲覧と編集、実演2も行うなら追加も付けてください。削除権限は不要です。新規起票にはレコード追加権限が必要です。運用が広がってから、トークンを追加していけば十分です。
kintoneの変更履歴を保険にする
kintoneのレコードには変更履歴が残るため、誤った更新があっても、何がどう変わったかを確認して直せます。Claudeが残す根拠コメントとあわせれば、「どの会議のどの発言が、どの変更につながったか」を後からたどれます。
照合のキーは安定した項目にする
文字起こしの中の会社名は、略称になっていたり、聞き取りに誤りがあったりします。アプリに顧客コードがあるなら、照合はそちらで行うようにClaudeへ指示してください。よく出る顧客名をSuperInternのカスタム辞書に登録しておくと、文字起こし側の精度も上がります。
添付ファイルは手作業に残す
kintone MCPサーバーは現時点で、レコードの作成・更新時に添付ファイルフィールドを設定できません。ゲストスペースも非対応です。ファイルの添付は手作業として残してください。
応用:営業以外のkintoneアプリでも同じ型が使える
kintoneの使い道は案件管理だけではありません。会議とアプリを突き合わせるこの型は、社内のさまざまなアプリにそのまま持ち込めます。
- 問い合わせ管理アプリ:サポート定例の後、対応状況の更新と、決まった回避策のコメント記入をまとめて片付けられます。
- タスク管理アプリ:プロジェクト定例の後、会議で変わった担当と期日をレコードに反映できます。
- 日報アプリ:終業前に、その日の会議からClaudeに日報の下書きレコードを作らせて、確認してから提出する使い方もあります。
案件管理を専用CRMで行っているチームには、同じ発想のHubSpot編があります。チームのタスク管理にはLinear編をご覧ください。
よくある質問
Q. SuperIntern MCPは無料プランで使えますか?
A. 個人ワークスペースではPlusプラン以上が必要です。Teamプランのワークスペースでも利用できます。Enterpriseでは初期状態が無効のため、管理者がワークスペース設定で「MCPアクセス」を有効化する必要があります。
Q. SuperInternがkintoneに書き込むのですか?
A. いいえ。SuperIntern MCPは会議データを読み取り専用で提供するだけです。kintoneの読み書きはすべて、あなたが設定した認証情報を使って、Claudeがkintone MCPサーバー経由で行います。
Q. AIに議事録や文字起こしを書き換えられてしまいませんか?
A. 書き換えられません。SuperIntern MCPには作成・編集・削除の機能がないため、この接続を通じて会議データが変わることはありません。
Q. kintone側には何が必要ですか?
A. 日本ではスタンダードコースまたはワイドコースの契約と、対象アプリのAPIトークン・アプリIDです(ライトコースではAPIを利用できません)。kintone MCPサーバー自体はサイボウズがOSSとして無償公開しています。なお、APIサポート窓口の対象外である点はご留意ください。
Q. Claudeが間違った内容を書き込んだらどうなりますか?
A. 承認前に変更案を確認すると、誤りに気づける場合がありますが、誤更新を防ぐ保証はありません。それでも誤った値が入った場合は、kintoneのレコード変更履歴で何が変わったかを確認でき、手作業の修正と同じように直せます。
Q. CRMはHubSpotやSalesforceを使っています。この記事は関係ありますか?
A. 専用CRMをお使いならHubSpot編が向いています。この記事は、チームの記録の本体がkintoneのアプリにあるチーム向けです。kintoneの場合は営業に限らず、問い合わせ管理・プロジェクト・日報まで同じ型で広げられるのが持ち味です。
まずはアプリ1つ、会議1件から始めてみてください。次の営業定例の後に実演1のプロンプトを試すと、転記のためにアプリを開き直していた時間がどれだけ減るかを実感できるはずです。チームがすでに信頼しているkintoneを、現実から遅れない状態に保てるようになります。